虚ろなるレガリア(電撃文庫)
魍獣と呼ばれる怪物が跳梁跋扈する、
滅びた日本を舞台に繰り広げられる。
龍という存在を巡り、
様々な思惑が交錯する物語。
あらすじ
龍の血を浴びて不死身の体になった主人公・鳴沢八尋
彼は滅びた日本の東京から美術品を運び出す
”回収屋”の仕事をしながら
行方不明の妹の情報を集め、日々を過ごしていた。
そんなある日、
八尋(以下:ヤヒロ)のもとに
美術商を名乗る双子の少女たちが現れ、
彼女たちはヤヒロにとある依頼をする。
それが”クシナダ”と呼ばれる、
魍獣を操る少女の回収だった。
この少女との出会いによって彼の運命は大きく動き出す。
感想
荒廃した日本を舞台に、
龍をモチーフにした一筋縄ではいかない物語や
様々な思惑が絡み合い、
登場人物や特殊な関係性なども魅力的で
世界観にどっぷりとつかれる面白い作品だった。
随所で意味深な台詞があり、今後の展開も気になる。
続刊も秋に出るとのことなので楽しみである。
作品の魅力ポイント
- 怪物が跳梁跋扈する世界観
- 龍と龍殺しの関係性
- 龍を巡る様々な思惑
怪物が跳梁跋扈する世界観
とにかく世界観が魅力的。
突如、龍が現れたことにより謎の怪物たちが出現する。
その怪物たちは魍獣呼ばれ、魍獣は人々を襲い、
やがて日本人が死に絶えてしまった日本。
そんな荒廃した日本の街を舞台に物語が繰り広げられる。
主人公は唯一の生き残りの日本人で、
不死身という特殊な能力を持つ。
これだけでも世界観と設定に興味をそそられる。
龍と龍殺しの関係性
龍という存在が周りに及ぼす影響というのも見どころ。
特に、龍と龍殺しの関係性は興味深い。
主人公は龍の血を浴びて不死身となり、
龍が生み出す魍獣たちに
唯一太刀打ちできる存在(龍殺し)であり、
絶大な力ゆえに弱点もある。
その弱点を補うための鍵となる存在が、
龍であるところも面白い。
龍という存在を巡る様々な思惑
龍に様々な思いを持つ人間が多くいる。
”龍の能力を軍事利用したい”
”不老不死になりたい”
”龍を殺したい” などなど
様々な立場から龍という存在を見ることができ、
物語の面白さが倍増する点も魅力的なポイントである。
気になった方は是非読んでみてほしい。